月曜日, 11月 02, 2009

不景気だから。多重請負と個人事業主あっせん業者

システム開発の現場は、建設ゼネコンと同じ構造になっているから多重請負は半ば常識・・といわれて、問題視されてドタバタしてけっきょくもやもやして3,4年経ってるけど、昨今の不況の折で今どうなっているかというと、けっきょく雇用情勢に比例した動きだから最悪な状態になっている。


さらにおいうちをかけて偽装派遣や間接雇用と呼ばれる偽装・多重請負についてコンプライアンス見直しなどで厳しく監視する発注者が増え、属人的な外注を禁止する動きや、委託や請負から、特定派遣に切り替える動きが発注者側で多くみられた。景気が上向いて案件がほどほど多くあって、単に善し悪しの問題だったり、利害関係が比較的わかりやすくきれいごとで片付くうちはまだいいけど、こんだけ開発案件がなくなってしまっては、もはやそういった議論さえ無駄。全員共倒れなわけで。死なばもろとも。元請にひきづられ連鎖倒産なわけです。


元請と個人事業主の間には、個人事業主をあっせんする営業代行会社とか、エージェントとか言われる、ブローカーがいる。はっきりいえば、そういったブローカーにとって現在の完全な買い手市場、それも大差ある超買い手市場は、買い手そして売り手(個人事業主)双方にとって邪魔な存在になってしまうだろう。そもそもあっせんする事は本来あってはならないとされている労務であり人身だけど、システムエンジニアといった特別な技術者だから人身とみなさず「技術」だから黙認されるようなグレーな状態だったから間接雇用とも言われてた。だけど景気低迷で買い手の需要も新規性や技術が必要な案件が減り、売り手の供給も生活しなければならないから、技術ではなく単純労務でもはたかざるを得ない状況にある。


そうなっている今、はっきりいって多重請負は人身売買。バイトの斡旋でピンはねしている状態。だけど、売り手の個人事業主が労働局にいっても相談しても仕事が増えるわけでもないしむしろ、ブローカーからの仕事紹介がなくなるから文句は言わない。買い手のほうも、直接雇用のリスクは冒せないし、求人出してマッチする人材確保までの時間を買うお金がないから、ブローカーの手持ちを紹介してもらったほうが早いし確実だということを知っているし、いままでのシガラミを断ち切ることもできない(元上司、元同僚の会社がブローカーという属人的な外注の場合が多い)


んじゃ、ブローカーがもうかっているかというと、そうじゃない。安い発注費と、個人事業主の今までの経験から高い支払い要求と、板挟みのそのマージンは薄くペラペラなわけで、営業活動の割りにあっているとは正直言えない。


誰も得しない。売り手市場で成り立ったグレーなシステムエンジニアという人材(技術というグレーなシロモノ)市場の構造のゆがみが買い手市場になって、我慢の局面に仕掛かっている。(これは派遣もしかり)建設業界や製造業界はバブル崩壊で破たんした。中国などの安い労働市場でオフショア化を加速させたし、モノがいらない情報通信産業なら、なおさら流動性が高いから、おなじようにオフショア化するのかね。っていっても、ブローカー文化は中国こそ本場だし、こりゃ太刀打ちできねーな。やっぱり、労働ではなくてしっかりと技術を売る売り手にならないと、そしてブローカーも技術をしっかり売れないと残れない時代が、もう来てますね。ってことで個人事業主の方、バイト気分でいたらだめですよ。



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