木曜日, 8月 09, 2012

内製化がススム。

どうやら、システムエンジニアリングの転機がきているようだ。
 サプライチェーンのように、ある意味わかりやすい産業構造とちがって、モノがないといってもいいような「あっちの世界」でのシステムエンジニアリングが「クラウド」という呼ばれ方をしだして、人が「見える」こっち側の世界にいるべき論が、あちらこちらから聞こえ出した。

ハードウェアベンダーとソフトウェアベンダーという位置づけで、ユーザ企業は委託開発で納品されたシステムを「使えない・・」と文句のなか高いからしかたないといった妥協でシステムに使われていた悲惨な状況が、するっと変わってきている。
無論、この背景にはマネタイズできているシステムを内包しているといった前提条件が必要なわけだけど、そういう企業は少なくないし逆にそういう企業でないと成長できていないわけで。

他方、自分のようにフリーで働く立場からすれば、これはもう気がかりな転機といわざるをえない。内製化するということは、あるていど長期的な人材教育とか、スペシャリティとか、開発マネージメントとかもろもろのことに投資しなくてはならないけど、それを回収できる見込みがあるわけで、外部に発注してしまって、ユーザとしての観点でシステムに接するだけっていう風潮が180度かわるわけなのである。
したがって、(もちろんいいことだと歓迎したいけど)納品物でお金をもらう今までのやり方ではなく、エンジニア・リソースとして納品ではなく、クライアント企業の内製化したシステムライフサイクルの回し役になるような方向に切り替える必要がある。

いいかえれば、要求仕様から設計、構築、テスト、導入、運用といったプロセスでできたモノに対してエンジニアの価値を発揮するのではなく、エンジニアリングそのものに対する知識や技術力、さらには経験を価値として提供することになっていかないとならない。

まぁ、そういう意味で言えばかねてから業界タブー的な商流のブラックなところが嫌いな自分としては業界にはびこるブローカーな人たちは、そんなエンジニア個人のスキルセットへの価値の転機について見抜くすべがないから、つぶれてくれることを期待している一面もあったりもする。

この流れは、アウトライン的に考えればプロセスイノベーションなんだろうけど、マインド的には価値観のイノベーションになるから、相乗的な大きな流れになってきているのかも。
  背景にはエンジニアリングとはいえ、インターネットにつながってお金になるモノっていうのは、オープン主義でデファクトスタンダードで情報量も多いし、たずさわるエンジニア人口も世界中で同時進行になるから圧倒的に多いし、金儲けもシンプルでスマートになれるっていうこともあるんだろう。


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